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あいさつ
「インパンの祈り」(2015)
「心如工画師 」これは華厳唯心偈の有名な一小節です。
人の心の有り様を説く大乗の教義ながら、特別に画工の境地がテキストにされています。 私は若き時にこの明快な言葉に出会って以来、「絵」=「人」なのだと画道を進む信念の上では大変得心し、最もの座右の銘だと、生業への自戒にもしています。
そしてこの言葉の原典は古くインド大陸にあり、仏教の流れはシルクロードに求められます。
学生時代の京都奈良の古美術研究や敦煌壁画模写事業で、西域シルクロードを訪れた経験は、大陸間の相互文化 歴史の結び付きの深さに興味を抱くのに十分でした。
画の歴史だけ見ても、変遷する価値観の中、数多の画工達が「より良く」の表現の工夫に努力した集積を感じ取れます。日本画もその遺伝子を受け継いでいます。
私もこの「より良く」が創作や着想の根幹の一部になっています。
現在に生きる私に何ができるか、残せるか、華厳世界のユートピアへの憧れの冒険への一歩を続けます。
これが毎年の「黄金航路の宵」展名の所以です。
私の活動に際して、多くの皆様との出会いに感謝申し上げます。
天目塾 日本画家 戸倉英雄
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